久々野 こころ

■人間観察に学ぶ恋愛イロハ■欲張りな人のシワ寄せが私に来る理不尽さ

行きつけのバーで「夫がいながらにして他の男性と親密にしているらしい女性」と「その相手である男性」という組み合わせの男女と遭遇した。ドラマさながらのシチュエーションに当初気まずさや居心地の悪さを感じたが、徐々に謎の憤りが沸々と湧いてきてしまった。

 

■人間観察12:ドラマのワンシーンさながらの場面に遭遇

彼氏いない歴758日と9時間34分……。先日、友人と久しぶりに飲みに出かけた。普段は一人で行動することがほとんどである私に、たまにこうして声をかけてくれて連れ出してくれる友人にしか感謝しかない。友人とお酒を楽しんだものの飲み足りないと感じたその日、私は行きつけのバーに一人繰り出した。普段よりも遅い時間だったからか、いつもとは違う雰囲気の人達が各々楽しんでいた。

お一人様の私はいつものようにカウンターに通された。丁度男女二人が座っているその横──入り口から見て奥側が、私のような人間にピッタリだと言わんばかりに席が空いていたのもある。「今日は楽しかった」と友人との会話を思い返しながら一人飲んでいると、隣の男女の会話が嫌でも耳に入ってくる。ヒソヒソと話しているものの、私の耳にはどうしても届いてしまう。その日の出来事を反芻しながら男女の会話に耳を傾けていると、どうやら隣の男女は不倫関係にあることがわかった。

話の内容を察するに男女のうち女性のほうに夫がいて、男性はその女性の不倫相手だと思われた。「そんな関係にある二人がこんなバーで会っていても大丈夫なのだろうか」と勝手な心配をしてしまったが、夫がいると思しき妖艶な女性とその相手の男性は刺激的な雰囲気の中で楽しんでいたように感じられた。こうした関係の男女はドラマや映画それに小説の中でしか知らなかった私は、「知ってはいけないことを目の当たりにしてしまった気まずさ・居心地の悪さ」をひしひしと感じてしまった。

 

□私が謎の憤りを感じてしまったのは

店を出た後にも「あのようなシチュエーションは決して架空上のみに限られたものでは無いのだな」と、あの場で出会った男女のことがしばらく忘れられなかった。しかし、あのバーでのあの雰囲気を後にして時間が経過するほどに、「夫という大切な人がいるのに関わらず、他の男まで欲しがるなんて欲張りすぎではないか?」と全く関係のないはずの私の胸の中で謎の憤りが沸々と湧いてきた。

出会いや恋愛には様々なかたちがあり、人の男女の数だけ出会いがあれば、それぞれの恋愛模様があるとは私も重々承知している。たまたまあの日あのバーで遭遇した男女は、「たまたま出会った相手にはパートナーがいた」や「パートナーがいるものの、たまたま出会った相手への恋愛感情が捨てきれない」という感情からあのような関係になったのだろう。そういうある意味特殊な関係はおろか、至って普通のごくごくありふれているだろう恋愛でさえも十分に経験したことのない私だからあくまでも想像でしかないが。

しかし、あの日遭遇した男女の組み合わせに関しては、「もしも夫がいるあの女性があの男性とよろしくならなければ、あの男性は自分と同じような独身の女性と良い感じになった可能性が残されているのでは?あの女性のせいで、私と同じような独身女性の新たな恋愛や出会いのチャンスが減ってしまったのではないか」と感じてならなかった。この感情は恋愛や出会いに恵まれないどころか、人とのコミュニケーションでさえままならない私だからこそ抱く、歪んだ羨望や僻みの感情なのかもしれないが。

 

□魅力的な人がどこまでも異性を引き寄せるその反動は

あの時に遭遇した妖艶な女性は、同性の私から見ても魅力に溢れていた。その魅力をほんの少しだけ私に分け与えたところで、あの女性はそのまま異性を引き寄せ続けられるはずだと思えたほどに。だからこそ、出会いや恋愛とは程遠い私の何倍もそれらを楽しめられ、結果としてあのような関係を人生の中で謳歌できているのだろう。魅力のある人間はどこまでも魅力的で異性を引き寄せるのかもしれないが、その反動として私のような独身で恋愛や出会いとはかけ離れたところにいる人間にシワ寄せが来ているようにも思えてしまう。

もしも仮に、私にもあの女性のような魅力が備わっていて、それに惹かれる異性がどんどんと現れたとしたらと想像を巡らせても……私は「大切なパートナーがいながらにして他の異性と何かを楽しむ」という器用さも無ければ、それを成し遂げられるほどの自信が無い。ゆえに余計にあの女性の魅力や器用さを抜きにしても、私には「欲張りな人だな」という感想とともに「あのような関係が、私のような人間が得られるはずのチャンスを減らしているのでは」と八つ当たりの思いも否定できない。

決してあの男女のような関係を否定するわけではないが、どうしても「あの女性が欲張りでなかったら、あの男性は……」と考えてしまう。「あなたのような女性のおかげで、私のような人間に恋愛や出会いに関してさらにシワ寄せが来ているのだから、ちょっとそういう関係はやめていただきたいのですが」とは口に出して言わないものの、心の底では毒ついてしまいそうにもなる。もちろん、私自身の魅力の無さや恋愛や出会いに対して不器用すぎる面にも。恋愛や出会いを私自身に引き寄せたいと思うのであれば、あのような女性もまた同じライバルになると思うと頭が痛くなった。彼女のような器用さや魅力がほんの少しでも私にあれば人相応に恋愛を謳歌できるのだろうが、あの女性のような楽しみ方は私には到底無理な話だ。




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