久々野 こころ

■人間観察に学ぶ恋愛イロハ■「あの人よりもマシ」とは思いたくない

ある日、駅のホームで居合わせた女性が怖くて仕方が無かった。彼女はその場で偶然すれ違った赤の他人に対して「私はあの人よりもマシ」と見下して嘲笑していたからだ。私と同様に人間観察をするタイプの人間かもしれない。しかし、私は「あの人よりはマシ」だとは思いたくない。

 

■人間観察5:他人を嘲笑う女性

彼氏いない歴709日と11時間07分……。ある日、駅のホームで居合わせた女性に対して勝手に嫌な思いをした。電車を待つ列の、私よりも少し前にカップルがいた。何やら楽しげな雰囲気だったし、立ち位置やその距離感それに互いの指に光る指輪でカップルだろうと予想した。

そのカップルのうち、女性の人がやたらと道行く人達をキョロキョロ見ていた。目は合わせていないが、私のこともジロジロと見られたような気もする。そして道行く人の誰かをじーっと見つめた後、何を言うかと思えば「あの人見た?あんなのあり得ない、私はあの人よりマシよね」と嘲笑したのだ。

彼女に対してその彼氏は「見てない、そんな人いたんだ。ふーん……」と特に関心の無いような様子で、適当に受け流していた。よくよく彼女が何を言っているのかを聞いてみれば、すれ違う人の中でも特徴的な人物を取り上げては、それを否定したり笑ったりしているようだった。私はその女性が怖くなった、ゾッとした。

 

□他人を嘲笑う女性にゾッとした理由

道行く人を嘲笑していた女性の何が怖かったかというと、まず全く知らない赤の他人に抱いた悪意の籠もった感想をそのままその場で言葉として口に出していたことだ。私にはその心理が到底理解できず、故に怖く感じられた。彼女もまた私のように人間観察が趣味なのかもしれない。しかし、私は彼女のように「相手に伝わってしまうかもしれないリスク」を負いながら、その場で自分なりの感想を言おうなど思わない。あくまでも私は自分自身の恋愛テクニックに活かせられたらという思いで人間観察をしているわけであって、その場に居合わせただけの人間を傷つけようなどとは考えていないからだ。

その点、彼女は「通行人の中で面白いと感じた人・自分より下だと感じる人を見つけ、その場ですぐにその感想を嘲笑しながら発表すること」を楽しんでいるようだった。それがとても怖かったのだ。私のすぐ前にいた恋人連れの彼女は、私の目の前では私に関して何も言わなかった。しかし、離れ離れになったあの後には「あの人見た?あり得なくない?彼氏とかいなさそう(笑)」と私に関しての感想について、悪意を込めながら彼氏に嬉しそうに発表したのかもしれない。

この世の中には彼女のような類の人間はごく少数だとは思う。しかしながら、彼女のように赤の他人を簡単に見下したり嘲笑ったりすることができる人間がいるというのは非常に恐ろしい。私がこれまでに出会い、知人なり友人なり何らかの関係を築いた人の中には彼女のようなタイプはいなかった。それはとても幸せなことだろう。ただ、「非常にカジュアルに他人を悪く言える人間」を目の当たりにしなかっただけに、偶然にも居合わせた彼女に恐怖の念を抱き「そういう人間もいる事実」をひしひしと痛感した。

 

□「あの人よりもマシ」と思うくらいなら

道行く人を嘲笑するほど悪意を手軽に振りまく彼女が怖くなったが、それと同時に彼女の無粋さや向上心の無さをも感じてしまった。道行く人に対して「この人よりは私はマシ」とその場で口に出すのは当然いただけないことだ。加えて、彼女は道行く人の中から「自分より下だ」と感じる人ばかりを見つけ、その存在に安心し「今以上に素敵な自分自身」を目指そうとしていないようにも思えたからだ。

仮に彼女の近くに「彼女よりも素敵な女性」がいたとしたらどうなるだろう?彼女は見て見ぬふりをするだろうか。はたまた相手の女性の粗探しをしたり「こういう女性って◯◯だよね」と根も葉もないことをでっち上げてまで下に見たりするのだろうか。あれほど簡単に他人を見下す癖を披露していた彼女ならやりかねない、そう感じるほど彼女は私にとって刺激が強かったのだ。彼女には申し訳ないが、私は彼女のように「この人よりはマシ」と下に見ることを癖にはしたくない。そうするくらいなら「あの人素敵、私もあのようになりたい」とプラスに考えられるようになりたい。

私が人間観察を始めたのは、世の中で私よりも何十倍も器用に恋愛ができ、素敵な恋愛や恋人関係を謳歌している人たちの、その秘訣を知りたいからだ。出会いや恋愛に強い人達からそのコツを知り、私自身も出会いや恋愛に繋げたいからだ。無論、誰かに悪意を向けたり自分自身と比較し安心したりするために他人に目を光らせているわけではない。人間観察が癖になっているこの事実は、気持ち悪がられるかもしれない。しかし、私はひっそりとこっそりと誰にも迷惑をかけないような人間観察から、「恋愛経験が豊富そうな先輩方」「恋愛を器用にこなせられる皆様」を手本にさらに良い人間になりたいと思っている。下ではなく上ばかりを見続けていれば、きっと何かがわかりそうだから。




関連記事

  1. ■人間観察に学ぶ恋愛イロハ■何気ない配慮に幸せを感じる関係性よ
  2. ■人間観察に学ぶ恋愛イロハ■会話が苦手でも恋愛はできるのか
  3. ■人間観察に学ぶ恋愛イロハ■独身の同性が恋愛を遠ざける?
  4. ■人間観察に学ぶ恋愛イロハ■恋愛での努力が成功した人に限って………
  5. ■人間観察に学ぶ恋愛イロハ■「異性として見ていない」と言わずとも…
  6. ■人間観察に学ぶ恋愛イロハ■恋愛で大切なのは自立と依存のバランス…
  7. ■人間観察に学ぶ恋愛イロハ■浮気をしない理由までもポジティブな愛…
  8. ■人間観察に学ぶ恋愛イロハ■自慢は何のモテアピールにもならない
PAGE TOP