久々野 こころ

■人間観察に学ぶ恋愛イロハ■恋愛での善意と押し付けは表裏一体

立ち寄ったカフェで開催されていた女子会で、女性が彼氏との交際での悩みを吐露していた。周りの女性たちは彼女の言い分に賛同していたようだったが、勝手に耳を傾けていた私の中には疑問ばかりが浮かんでしまった。

 

■人間観察26:賛同できなかったある女性の悩み

彼氏いない歴916日と3時間8分……。ある日の昼下がり、立ち寄ったカフェでは女子会のようなものが開催されていた。華やかな女性たちがスイーツを囲んで日頃の仕事での鬱憤なりストレスなりを言い合って、互いに励まし笑い飛ばし合っているようだった。いつからか話題は各々の交際や恋愛についての内容に変わっていった。

女性たちのうちの1人が、彼氏との交際の中で最近1番頭を抱えているらしい悩みを吐露していた。内容は「彼氏に喜んでもらいたくていろいろとしてあげたのに、彼氏は何にもしてくれない。私は彼のためを思っていろいろとしているのに、それに対して何のリアクションも無いのが嫌だ。彼氏ならもっと応えてくれても良いのに」というものだった。

その女性の悩みに対して周りの人たちは「それってちょっとどうなの?」「それは寂しく感じちゃうよね〜」「わかる、そういうのってもっとリアクションしてくれても良いもんだよね」と口々に意見を述べていた。女性だけのコミュニティがそうさせたのかもしれないが、その場にいた女性たちは皆悩みを抱えている彼女に同情したり、彼女の言い分に賛同したりしているようだった。しかし、そばで話を勝手に聞いていた私は心の底から賛同することはできなかった。

 

□恋人の喜ぶ姿が見たくて行動する気持ちはわかるが……

確かに、好きな人・愛している人である恋人が喜ぶ姿を見たい気持ちから、いろいろとしたくなる心理は恋愛経験が少ない私でも十分に理解できる。私が大切に思っている友人や家族にそういったことをしたいと思う気持ちの延長線上にあり、その感情がさらに強いものだろうから。

私の場合には口下手でコミュニケーションが苦手で恋愛経験はほとんどない。そんな私を好きだと言ってくれる・大切に思ってくれる人と出会うことができ、さらには恋人として交際にまで発展させることができたのなら……きっと私は恋人の愛情に応えられるように尽くすだろうから。しかし「◯◯してあげたのに何もしてくれない」と嘆くのは少し話が違ってくるように思えてならない。

言ってしまえば、「喜ぶ姿を見たくて」って理由から勝手にいろいろしているわけであって、その自身の行動に対して相手からの見返りを求めてしまったらそれはもはや「押し付け」になってしまうような気がする。実際、あの日遭遇した女性の言い分を聞いていても「何もリアクションをしなければ、そう捉えられることもあるのか……怖いな」という感想を抱いてしまったほどだ。これは私に恋愛経験がほぼ無かったり、人とのコミュニケーションが苦手だったりする私自身の内面がそう感じさせるのかもしれないが。

 

□相手に何かを求める一方では何かを失うこともあるのでは

恋人として関係を続けている相手に与えるものはお金やプレゼントなど、目に見えるもの以外にも様々なものがあるだろう。例えば、愛情、優しさ、思いやり、それに一緒に過ごす時間もそうだろう。ただ、「それらをあげたから、あなたも私になにかをください」というのは純粋な愛情じゃない気がするのはどうしてだろうか。私が恋愛に対して夢を見すぎているせいだろうか。

当然、私の言動に対して何らかのお礼をしてくれたら嬉しいに決まっている。相手が自分の好きな、愛している相手ならなおさらだ。しかし、相手に対する自分自身の行為を「してあげたのに」と言う・考えるのは、過去の自分の行いを「相手のことが好きだからという純粋で素敵な理由による行為」から「相手からの見返りを目的とした行為」にしてしまいかねないことだと感じる。

どちらかと言えば「恋人のことが好きだからしたことであって、相手からの見返りはどうでも良い」と思っていたほうが、よほど精神衛生的にも健やかであり続けられるような気がする。もしもあの日遭遇した彼女もこのように考えられたのなら、「彼氏からのリアクションが無い」と悩まずに済んだのかもしれない。

最終的には「物は言いよう・考えようだ」という結論付けになるかもしれない。しかし、恋愛ではちょっとした捉え方・考え方から善意が押し付けになり得るのかもしれないし、少しの考え方で恋愛や交際での悩みになるか否かが決まるのかもしれないとあの女性から気付かされた。少なくとも私は、私自身の行動についての見返りを、相手から求めるような考え方は避けたい。ただでさえ人よりも恋愛や出会いに恵まれていない私が見返りだ・リアクションだと言い始めてしまったら、それこそ恋愛や交際で感じられるだろう幸せを私が自らの手で握りつぶしてしまうことになるだろうから。




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