久々野 こころ

■人間観察に学ぶ恋愛イロハ■恋愛漫画でのライバル的存在が羨ましい

架空上の存在だと思っていた「恋愛漫画やドラマ諸々でライバルとして登場する女性」と遭遇した。昔はそのような女性に決して良いとは言えない感情を抱いたものだが、今になっては彼女らのような女性に憧れてしまう。

 

■人間観察18:実在する「恋愛漫画でライバルとして登場する女」

彼氏いない歴800日と8時間12分……。恋愛漫画やドラマそれに映画の「ベタな展開」では、だいたい主人公が出会いから恋に落ちて順調なときに恋敵となるライバルが登場する。主人公と同性で同じ相手に恋心を寄せるそのライバルは、だいたい「あなたにはあの人は勿体無い」「あの人があなたを好きになるはずがない」それに「あの人にはあなたよりも私のほうがふさわしいに決まっている」という台詞を言うのがお決まりだ。

こうしたライバル的ポジションの登場人物は架空上でしか存在しないと思っていた。しかし、私は先日「恋愛漫画やドラマ諸々でライバルとして登場する女」の実在をこの目で確認してしまった。

ある日、いつものようにお一人様でカフェに向かった。通された席は小さめのテーブルに椅子が2脚対になっている、私のような1人客か2人客用だった。ちょうどその隣にタイプが全然違う女性が2人座っていた。1人の女性が可愛い系代表だとすると、もう1人の女性はクールビューティー代表という雰囲気だった。

何も話さない女性2人組に居心地の悪さを感じていたら、急にクールビューティーのほうの女性が「あの人のことをどう思っているかしらないけれど、あなたよりも私のほうがふさわしい。あなたがいくら頑張ったところで、あの人も私を選ぶはずだから何かをするだけ無駄」という旨を淡々と告げた。それから彼女は言い残すことはもう何もないかのように立ち去って行った。

 

□圧倒的ライバル感を出していた女性に惹かれた理由

私は「とんでもない場面に遭遇してしまった」とこの上ない居心地の悪さを感じると同時に、「漫画やドラマ諸々で見たことのあるシチュエーション……これは実在するのか……!」と謎の感動に包まれた。「今の出来事は何だったんだ」と言わんばかりに戸惑っていた可愛い系の女性のことは可哀想に感じたし、圧倒的ライバル感を出しながら啖呵を切っていたクールビューティーな女性は敵に回したくないという印象を抱いた。しかし、クールビューティーな女性は怖かったものの、心のどこかで羨望の念がふつふつと沸き起こってきたのも事実だった。

まず「他の誰よりも私こそがあの人にふさわしい」と思うだけでなく、それを恋敵である相手に向けて実際に口にできる自己肯定感を分けて欲しいとさえ感じるからだ。私にはそのような勇気もなければ、そもそもそれほどまでの自己肯定感すら持ち合わせてない。その性格のせいできっと私が好きだと思う人に、私と同じように思いを寄せる人が他にいたら「私よりもきっとあの人のほうが良い人だろうから、今回は諦めよう」と何かが始まる前から終わりそうだ。

しかし、ライバル的存在として登場する女性は、自分が思いを寄せる人に恋愛対象となりうる人物が現れたとしても、自信を無くしたり凹んだり酷い感情が出てきたりするどころか、相手の人に宣戦布告をするほどに元気に自信を持ち続けられるのだ。そのメンタルの強さが私には恐ろしくもあり羨ましくもあるし、信じられない。

 

□現実での恋愛でハッピーエンドを掴み取るのは……

昔は恋愛漫画やドラマでの展開で、ライバルポジの登場人物には「主人公がようやくやっと意中の男性と良い感じになったというのに、どうして突然現れて邪魔をするんだ」と歯がゆい思いをさせられたものだ。しかし、いつの間にか私は恋愛漫画の主人公のように幾多の困難を乗り越えられるほど恋愛を上手にこなせられなければ、それ以前に人見知りや口下手で人間関係の構築も難しく感じるようになってしまっていた。

そんな今の私からすると、あのライバルとして登場したキャラクター、あの日出会ったクールビューティーな女性のように「自己肯定感に満ち溢れ、恋愛がどのような状況にあったとしても自信を持ち続けられる人」が素敵だと思えてならない。

いや、彼女らのようなタイプの人間は恋愛や出会いの場面では敵に回したくはない、絶対に。私のような人間が彼女らのようなタイプを敵に回してしまうと、途端に意気消沈し姿を消したくなってしまう。話がそれてしまった。私にとって彼女らのような女性は、「私もこうあることができれば」と1人の憧れの女性として映ってしまう。これはきっと私に無いものを持っている「無いものねだり」のような感情がそう思わせているのかもしれない。

恋愛漫画やドラマ諸々ではハッピーエンドはどうしても主人公に訪れ、ライバルとして登場する人物は失恋してしまいがちだ。しかし、この現実に存在する「恋愛漫画でライバルとして登場する女」は自信に満ち溢れていて、簡単には失恋の最後を迎えなさそうなほどにはたくましい。誰かによってストーリーが決められている漫画やドラマのようには行かない現実では、あの日出会った女性のような人物こそが恋愛の成功を実力で掴み取るタイプなのかもしれないとさえ感じた。




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