久々野 こころ

■人間観察に学ぶ恋愛イロハ■間接的な表現がチャンスを減らす?

先日お店で遭遇した男女の会話を今でも覚えている。その会話は赤の他人である私に、女心の難しさを痛感させた。それと同時に、出会いや恋愛の場面で自身をアピールする時にはどうすれば良いのかを考えさせられた。

 

■人間観察1:お店にいた男女から伺えた複雑な心境

彼氏いない歴681日と22時間32分……。ダイニングバーで遭遇した男女の会話が忘れられない。一人で飲んだり食べに行ったりすることが多いから、お店ではカウンター席の微妙に空いている席に通される。それこそ、2人連れは座れないけれど一人にはピッタリな空間に。だから、必然的に近くに座っている人はだいたい2人連れのことが多くある。

その日、私の隣に座っていた若い男女は、女性が男性に敬語を使って話しかけていたからカップルではなさそうだった。でも、仲が良さそうで楽しくその時間を過ごしていたように感じられた。もしかすると、現在進行系での先輩後輩、あるいは友人以上恋人未満の関係かもしれない。特に記憶に残っている会話は、「自動車免許の更新が近い」というような内容から始まったものだった。

女性「私、もうすぐ免許の更新なんですよ。昔に撮ったこの免許の写真見てくださいよ。幼すぎて嫌だったんで、変えられるのが嬉しくて」
男性「見せて。いや、でもそんなに今と変わらないような気がするけど」
女性「嘘でしょ~?!ちょっとショックなんですけど笑」

 

□他人ながら女心の難しさを痛感した

この2人連れの女性にとって、数年前に撮ったであろう免許証の写真は「昔の自分の幼さ」が感じられるから嫌だったのかもしれない。もしかすると当時よりもメイクの方法やファッションそれに髪型のスキルが高まって、「当時よりも今のほうが垢抜けていて良い」と感じられていたのかな、とも考えられる。だから、彼女は今よりも良くは感じられない昔の免許証の写真を変えたいという話の流れから、「当時よりもこれだけ可愛くなったんだよ」「今のほうが良いでしょ」とアピールするために実際に昔の写真を見せた、というのが私個人の感想であり妄想だ。

とすると、男性の「今と変わらないような気がする」という返事は、彼女にとって好ましくない内容のように思える。確かに、女性にとって数年前と変わらないことを指摘するのは、褒め言葉になるだろう。時と場合によっては。だから、男性は数年前の写真にネガティブになっている女性を、「昔の君も良いじゃん」という意味で返事をしたはず。だけれど、彼女にとってそれは望ましくなかったんじゃないか。昔の私よりも今のほうが良いと考えているとすれば、「今も昔もあまり変わらない」と言われるのはショックなのではと勝手に想像してしまう。

そばでその男女のやり取りを聞いていた私は、他人事ながら「女心は難しい……」と一人痛感していた。彼女の場合、「今のほうが良いでしょ」とハッキリ口に出して伝えていれば、相手の男性からの一言でショックを受けることはなかったはず。でも、そんなふうにあからさまに「今のほうが良いよね」と言うことに彼女は抵抗を感じたのかもしれない。とてもよく分かる、私も自分自身の何かについて「良い」とハッキリと誰かに伝えることに気恥ずかしさや抵抗感を抱いてしまうから。だが、彼女の間接的なアピールは、結果として相手の男性にうまく伝えられなかった。

 

□出会いの場で相手にどう伝えるか

あの日たまたま席に居合わせるかたちになった男女から学んだのは、「自分に関しての何らかのアピールをする時、間接的な伝え方になると思いもよらないかたちになってショックを受けることがある」ということだ。私もまたあの日の彼女のように、「ほら私を見て!」「ほら私のことを褒めて!」「こんな私は素敵でしょ」と自らを能動的にアピールすることに躊躇ってしまうタイプだ。性格とも言うのかもしれないけれど、そういう直接的な表現ができないからどうしても間接的に「本音を上手く建前で伝えようとする」ようなオブラートに包んだ表現になってしまう。

出会いからの年月がかなり経っていて、互いにどういうタイプの人間であるかを熟知していれば癖とも言える私の間接的な表現から本意を汲み取ってもらえる。実際に、私の仲の良い友人はみなそういうタイプの人間だ。でも、恋愛のきっかけになるであろう新たな出会いの場、それこそ初対面のときにはそううまくいくことは少ない。むしろ、間接的に回りくどく伝えればそっくりそのままの意味に捉えられるか、あるいは誤解を生んでしまうか……どちらにせよ私自身のことをしっかりアピールできなかったり、本来とは違う人物像として解釈されたりして恋愛のチャンスが減りそうだ。

あの日出会った私と似たタイプ(と勝手に思っている)の彼女は、間接的なアピールが報われずに自身がショックを受けることになった。彼女とその連れ添いの男性は仲が良さそうだったから、まだ傷は浅いはず。でも、新たな出会いや初対面となると想定外の結果に終わることだって十分に考えられる。とすると、私は恋愛や出会いの場では、普段よりも少しばかりハッキリと直接的に伝えるように心掛けなければならないのだろう。もちろん相手を傷つけないようなことは言わないようにしながら。そうしないと、出会いから恋愛に繋げられないどころか、私と話をしてくれる人に誤解を与えたりそれによって気分を悪くさせたりすることだってあるだろうから。




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